treatment
治療・方法一覧
(セルフも含む)

歯が着色・変色していくことには、それぞれ原因があります。
その原因を正しく治療しなければ適切な結果を得られません。
歯の構造は歯冠部(歯茎から出ている部分)では外側からエナメル質、象牙質、歯髄という構造をおり、歯根部(骨の中の土台部分)ではセメント質という組織があり、歯根膜(歯の周りの靱帯)を介して骨に植立しています。

まず、エナメル質の表面に汚れ・着色が付着しているだけの場合、お家での歯ブラシや歯科医院でのクリーニングだけでも綺麗になります。
エナメル質自体が変色している場合はクリーニングだけでは白くならないため、漂白剤を使ったホワイトニングが必要になります。
神経が生きている歯の場合は、一般的に2種類の方法があります。
クリニックで行うオフィスホワイトニングとお家で行うホームホワイトニングです。

また、歯の神経が死んでいる場合、歯が黒く変色する場合があります。
その場合は根管治療を行なった後で、歯の内側に薬剤を入れて行うウォーキングブリーチという治療法があります。しかし、原因によってはホワイトニングの薬剤を使用しても効果がない状態や禁忌の疾患も存在するため、歯科医師とよく相談することが大切です。
薬剤によるホワイトニングが困難な場合などの場合、歯の表面にセラミックを接着させるラミネートベニアやレジンを接着する方法もあります。

merit & demerit
各治療・方法の
メリット・デメリット

01

クリーニング

薬剤によるホワイトニングの前にも必ず行います。
着色などを除去し、虫歯や歯周病の予防にもなりますが、歯自体の黄ばみなどを白くすることはできません。
02

オフィスホワイトニング

メリット
  • 患者が漂白を行う煩わしさがない。
  • 部分的な部位の漂白が可能。
  • 知覚過敏発生等に迅速な対応が可能。
  • 短時間で効果を上げられる。
  • 漂白直前の歯面清掃、漂白後の研磨が可能。
  • 不正歯列にも対応可能。
  • 歯科医師または歯科衛生士の監視下で実施される。
デメリット
  • チェアータイムが長い。
  • 前歯・小臼歯の唇側の漂白がメインになる。
  • 来院が必要。
  • 高濃度の過酸化水素を使用するため軟組織の防護が必要。
03

ホームホワイトニング

メリット
  • チェアータイムが短い。
  • すべての歯のすべての面を漂白可能。
  • 患者の生活に合わせた漂白処置が可能。
  • 歯肉への影響が少ない。
  • 漂白期間を延長することで広い適応の可能性がある。
デメリット
  • カスタムトレーの技工操作が必要。
  • 部分的な漂白が不可能。
  • 知覚過敏の発生時の対応がただちにできない。
  • トレーや薬剤による違和感や不快感がある。
  • 漂白効果の出現が遅く長期間かかる。
  • 不正歯列に対応しにくい。
  • 処置を監視できない。
04

デュアルホワイトニングのメリット・デメリット

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせて行うホワイトニング。
それぞれの薬剤や方法の限界を補い、よりホワイトニング効果が高まるが、両方の短所も併せ持つことになる。
05

ウォーキングブリーチの
メリット・デメリット

無髄変色歯に対するホワイトニング法。
約 1 週間ごとに来院いただき、歯の裏側から髄腔内に、30~35%過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウム粉末の混和物を主とする薬剤の封入を繰り返す。
象牙質に漂白剤が直接作用するため効果が高いと考えられているが、歯質が薄い場合破折する可能性がある。
また薬剤が象牙細管を通して歯根膜のセメント質に作用した場合、歯根の外部吸収や歯根膜炎を生じる可能性がある。

Indications / contraindications
ホワイトニングの
適応症・禁忌症

無髄歯の場合

適応症
  • 根管治療後の変色
  • 歯髄出血による変色
  • 歯髄壊死による変色
禁忌症
  • 金属イオン性変色
  • 残存歯質が少ない歯
  • 根未完成歯
  • 仮封がしにくいもの

有髄歯の場合

適応症
  • 加齢に伴う黄ばみ
  • テトラサイクリン変色歯(ファインマンの分類 F1, F2)
  • フッ素症(軽度)
禁忌症
  • 大きなう蝕歯
  • 広範囲の修復歯
  • テトラサイクリン変色歯(ファインマンの分類 F3, F4)
  • 形成不全など実質欠損のあるもの

全身的な要因による禁忌症

禁忌症
  • 無力タラーゼ症
  • 妊娠期・授乳期の女性
  • 気管支喘息などの呼吸器疾患
  • 小児
  • 光線過敏症