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2024.04.26

口臭の原因や対処法


口臭を指摘されたり、自分は口臭がしていないか気にしていませんか?
今回は口臭の原因やその対処法についてお話ししていきます。

口臭の種類
口臭の原因
対処法・治療法
まとめ

口臭の種類

口臭には大きく分けて5つの種類があります。
・生理的口臭
・飲食物・嗜好品による口臭
・病的口臭
・ストレスによる口臭
・心理的口臭

【生理的口臭】
誰にでもあるにおいで、起床直後(起床時口臭)、空腹時(飢餓口臭)、緊張時(緊張時口臭)は特に口臭は強まります。これは唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさん作られるためです。
また、女性の生理・妊娠時などホルモンバランス変化に伴う口臭、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、老齢期、それぞれの年代固有の臭気(加齢臭)、民族的な口臭もあります。
歯みがきで細菌やVSCが減少し、食事をしたり、水分を積極的に補給するようにすることで唾液量が増加すれば急激に口臭は弱まります。したがって生活習慣の改善でよくなり、治療の必要はありません

生理的口臭の特徴として病的口臭ではないので常に周囲の人たちを不快にするわけでなく、時々不快にする事がある程度です。

【飲食物・嗜好品による口臭】
ニンニク、ネギ、酒、タバコ等による口臭は一時的なもので、時間の経過とともに臭いも無くなります。治療の必要はありません

【病的口臭】
鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合もありますが、病的口臭の90%以上は口の中にその原因があり、歯周病、むし歯、歯垢(歯の周りに付く細菌の固まり)、歯石、舌苔(舌の表面に付くコケ状の細菌の固まり)、唾液の減少、入れ歯の清掃不良などがあげられます。

【ストレスによる口臭】
ストレスにより唾液の量が少なくなると口の中が臭くなります。

【心理的口臭】
実際は他の人が気にしない程度であっても、自分自身で強い臭いがあると思う(思い込む)場合があります。

口臭の原因

歯周病
初期においては痛みもなく自覚できず、静かに進行する病気です。
一見何でもないようでも、歯をみがくなど、ちょっとした刺激で容易に出血があることがよくあります。病気が進行すると歯ぐきからの出血に膿が混じってくるようになり、口臭もひどくなってきます。

むし歯
むし歯は独特の臭いを持っています。食べかすやむし歯菌が、虫歯の穴の中にたまり臭いがきつくなり、口臭の原因になります。
小さなむし歯で口臭が強くなることはありませんが、むし歯が進行してくると次第に口臭がきつくなってきます。むし歯が進行し、神経が腐ると、強烈な臭いがします。

歯垢
歯の表面に付着する柔らかい堆積物でほとんどが細菌のかたまりです。食べ物の残りかすを栄養とする微生物とその代謝産物からなり、時間が経つと歯石を作っていきます。むし歯や歯周病の原因になります。

歯石
歯垢がかたく固まった石灰化物です。歯石がたくさん付くようになると口臭もひどくなってきます。また歯石が付くことによりプラークを除去しづらくなり歯周病を進行させます。

舌苔
体調が良くないときなどには、舌の表面に白っぽいものが付着することがあります。これは舌苔と呼ばれているもので、歯垢と同じような細菌の固まりです。これも口臭の原因になります。舌をきれいにすると口臭も軽減します。

唾液の減少(ドライマウス)
唾液はむし歯や歯周病予防だけでなく、口臭予防にもとても大切なものです。口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、口の中の粘膜を保護する作用などがあります。唾液の分泌が少なくなると口の中が不潔になり、むし歯や歯周病になったり、口の中が乾燥して口臭が強くなったりしやすくなります。

プラスチックの人工歯
義歯・入れ歯のプラスチック部分は色素やにおいを吸着するため、毎日きれいに清掃し、消毒剤に浸しておくことをお勧めします。一度吸着した色やにおいはなかなか取れません。

不良な詰め物・被せ物、金属の腐食
歯につけた詰め物や被せ物が古くなって穴が開いたりすき間ができたりすると汚れがたまり易くなります。二次う蝕や歯周病などで痛み出るまでに悪くなっていても気がつきません。意外と口臭の原因になっている場合が多いです。

口腔ガン
口の中の癌(舌癌、頬粘膜癌など)により口臭が発生することがあります。

鼻やのどの病気
鼻やのどは口とつながっているため、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。

その他呼吸器系の病気、消化器系の病気
全身症状が原因となって口臭が発生することがあります。原因となる病気を特定して治療することで口臭は軽減されます。

対処法・治療法

歯科医院で特定の治療が必要ないもの
生理的口臭、飲食物・嗜好品による口臭、ストレスによる口臭は歯科医院での治療が必要なく、生活習慣の改善により口臭の軽減が期待できます。

セルフケアにより改善が見込めるもの
歯垢や舌苔による口臭は、歯磨きの改善や舌のクリーニングを行うことで口臭が改善する場合があります。

歯科医院での治療が必要なもの
歯周病、むし歯、歯石、不良な詰め物・被せ物、入れ歯に原因がある場合は、歯科医院での治療が必要です。また、ドライマウスや口腔がんが疑われる場合も歯科医院から医科への紹介や連携をとる必要があるため受診をお勧めします。

歯科医院以外でも治療が必要なもの
口腔内以外に口臭の原因がある場合も歯科医院から医科への紹介や連携をとる必要があるため受診をお勧めします。

まとめ

口臭の原因が、自分自身では判断が難しい場合が多いです。そのため、気になる場合は歯科医師に相談し、原因にあった対処法、治療法を決めていくのが大切だと思います。

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