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2024.04.04

歯ぎしり・食いしばりの原因、影響、治療法


朝起きて、歯や顎が痛い、疲れた感じがするという経験はありませんか?それは歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。

① 歯ぎしり・食いしばりの原因
② 歯ぎしり・食いしばりによる影響
③ 歯ぎしり・食いしばりの治療法

歯ぎしり・食いしばりの原因は?

歯ぎしり・食いしばりの原因は複数あると言われ、現在はっきりとした原因は特定されていませんが、代表的なものとしてストレスや生活習慣、噛み合わせの問題、口腔周囲組織の変化などが挙げられます。
また、食事や会話などで上下の歯が接触する時間は1日20分程度と言われており、それ以外の時に歯が接触している人は歯列接触癖(TCH: Tooth Contacting Habit)という癖があるかもしれません。

歯ぎしり・食いしばりによる影響

1. 歯や補綴物への影響
歯や修復物同士で擦りあわせることで噛む面が摩耗していきます。力が強くかかり、歯が折れると最悪の場合、抜歯しないといけない場合もあります。(セラミックやインプラントが壊れることもあります。)
また、歯茎の近くの歯が欠けたり、歯の神経が敏感になることで知覚過敏などの症状が出る場合もあります。

2. 歯周組織への悪影響
過度な力がかかると歯の周りの組織(歯周組織)に炎症が起こり、歯が揺れたり、歯を支える骨が吸収することがあります。また歯周病を罹患している場合、進行を早めてしまうこともあります。

3. 筋肉への影響、顎関節症の発生
咀嚼筋の緊張による頭痛の発生や、顎関節に過度な負担がかかることによりあごが痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)、口が開かない(開口障害)、あごを動かすと音がする(顎関節雑音)などの症状が出る顎関節症が発生する場合があります。

歯ぎしり・食いしばりの治療法

1. 生活習慣の改善、マッサージ(セルフケア)
まずセルフケアで行える対処法としては、生活習慣の改善です。ストレスを減らすことで良質な睡眠をとることで睡眠時の歯ぎしり・食いしばりを改善できます。また、咬筋・側頭筋などの口を閉じる筋肉をマッサージすることで緊張を緩和します。

2. ナイトガード・マウスピース(保険診療)
夜寝るときに、マウスピースを入れることで歯同士の接触を防ぎ、歯を過度な力から守ってくれます。硬いタイプと柔らかいタイプがあり自身にあったものを選べます。
メリット:保険診療内で製作可能、歯の損耗を防ぐことができる、消耗したら作り直せる。
デメリット:管理が煩雑、慣れるまで違和感がある、使わないと効果がない

3. ボツリヌストキシン治療・ボトックス治療(自由診療)
咬筋などにボツリヌストキシンを注入し、筋肉への神経伝達を一時的に遮断することで活動を抑制します。
メリット:自分での管理が少ない、一定期間で神経伝達が回復するため比較的安全
デメリット:自由診療、筋肉の活動が回復するため、繰り返しの施術が必要な場合がある。全身状態によって施術出来ない場合がある。

当院では、事前に筋電計などを用いた検査を行い、十分な説明と同意が得られてから施術を行います。

4. 噛み合わせの調整、補綴物のやり直し、歯列矯正治療(保険診療〜自由診療)
噛み合わせが原因の場合は噛み合わせの調整や補綴物のやり直し、歯列の矯正治療が必要な場合があります。
メリット:口腔内を安定した状態にすることが可能です。
デメリット:不可逆的な治療のため、歯科医師による適切な診査・診断、治療が必要になります。

まとめ

一人一人の状態や原因によって治療法は異なります。質問や相談があれば歯科医院にお問合せください。

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