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2024.04.06

歯ぐきの検査のチクチクって何?


歯科医院に行くと「歯ぐきの検査をしますね」と言われて歯ぐきを ”チクチク” 触られたことはありませんか?

定期検診やクリーニングのために来たのに歯ぐきを検査をされて、何をされているんだろう?と思った人もいるかもしれません。

これは何をしていて、どんな意味があるのか解説していきます。

・歯ぐきの検査(歯周組織検査)の正体と目的
・健全な状態から進行した歯周病における歯周組織の変化
・歯周病の進行状態による治療方法の違い
・歯周病を進行させないために大切なこと

歯ぐきの検査(歯周組織検査)の正体と目的

歯ぐきの検査(プロービング検査)では、歯周プローブという器具を用いて歯と歯ぐきの間に存在する”仮性ポケット”や”歯周ポケット”というものの深さと触った時の出血(炎症の有無)などを測っています。
これによって、歯周病の進行状況、歯ぐきの下の汚れの有無、現在炎症がある場所を知ることが出来ます。
歯ぐきなど、柔らかいもの(軟組織)はX線写真には写りづらいため、
X線検査と合わせて歯周組織検査を行うことで、より歯周組織の状態を正確に把握することができるのです。

健全な状態から歯周病の歯周組織

歯ぐきの状態によって段階的な診断をします。

1. 健全な歯周組織
ポケットの深さが3mm以内で出血がない状態。

2. 歯肉炎
歯ぐきが腫れて触ると出血するが、骨に吸収はない状態。

3. 歯周炎
一般的にポケットが4mm以上で出血がある状態。さらにポケットの深さにより軽度、中等度、重度の歯周炎に分類されます。

歯周病の進行状態による治療方法の違い

1. 健全な歯周組織
今の良い状態を維持し、歯周病(歯肉炎・歯周炎)の予防、早期発見、早期治療を行います。
治療法:口腔衛生指導(歯磨き指導など)、機械的歯面清掃(クリーニング)、スケーリング(歯石取り)

2. 歯肉炎
歯ぐきが腫れているが、骨の吸収がないためまだ元に戻る状態です。この時に治療を開始できるかが重要です。
治療法:口腔衛生指導、機械的歯面清掃、スケーリング

3. 歯周炎
歯ぐきが腫れ、骨が吸収している状態です。歯を支えている骨の吸収が進むと歯の動揺が大きくなり、根の先まで吸収すると最終的に歯が抜けてしまいます。条件が整っていれば吸収した骨を再生させることも可能ですが、基本的には元には戻らない状態です。さらなる進行を抑え、再発防止が大切になってきます。また、歯周ポケットが深い(一般的には4mm以上)と歯ぐきの下の汚れを除去することが難しくなり、歯周外科治療を行わないと改善しづらくなります。
治療法:口腔衛生指導、機械的歯面清掃、スケーリングに加えて、必要によって歯周外科治療歯周組織再生療法など。(保存できない場合は抜歯、神経が死んでいる場合は歯内治療などを行う場合もあります。)

歯周病を進行させないために大切なこと

歯周病の重症化予防のためにできることはいくつかあります。

1. 歯磨きの改善、歯間ブラシ・フロスの使用
歯周病はプラークが原因で発症、進行していきます。そのため、毎日の歯磨きでプラークを除去することが一番大切になります。また、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れをとることは非常に困難です。そのため、歯間ブラシやフロスを使うことも重要です。

2. 禁煙、糖尿病の治療
タバコは全身疾患のリスクだけでなく、歯周病の治療効果を著しく低下させます。また、糖尿病と歯周病はお互いに悪影響を与えることが知られており、両方の病気を治療することでより良い結果が得られます。
タバコと糖尿病は歯周病を悪化させる代表的なもので、特に注意が必要です。

3. 定期検診を受診する
歯科医院で定期検診を受診することで、歯周病の早期発見、早期治療の機会を得ることができ、また自分では難しい部分のクリーニングや歯磨きのアドバイスを貰えたりします。また、人に見られることで歯磨きを頑張るという効果も期待出来ます。そのため、少なくとも毎年1回は定期検診を受けることをおすすめします。

まとめ

歯ぐきをチクチクする検査は、歯周病の状態を診断し、治療方針を決めるためにされているものでした。
当院では歯周組織検査としてプロービング検査の他に、X線写真撮影、歯の動揺度の測定、プラークコントロールレコード(PCR: 磨き残しの記録)などを行なっております。
正確な診査診断をすることで的確な治療を提供できると考えております。
治療に関しても歯周外科治療や歯周組織再生療法まで対応可能です。歯周病に限らず、お口の中でお困りのことがあればご相談ください。

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