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2024.12.02

歯科用コーンビームCTとは?その仕組みとメリットを徹底解説


歯科治療が進化する中で、患者さんにとってより安全で正確な治療を行うための技術が日々進歩しています。その中でも、「歯科用コーンビームCT(CBCT)」は、診断や治療計画において革命的な役割を果たしています。本記事では、歯科用コーンビームCTの基本的な仕組みから、その利点、具体的な活用例、そして導入による患者さんへのメリットまで詳しく解説します。

歯科用コーンビームCTとは?
歯科用コーンビームCTの仕組み
歯科用コーンビームCTのメリット
活用事例:歯科用コーンビームCTが活躍する場面
導入による患者さんへのメリット
歯科用コーンビームCTの注意点
まとめ

歯科用コーンビームCTとは?

歯科用コーンビームCT(Cone Beam Computed Tomography)は、X線を用いて患者さんの口腔や顎の構造を立体的に撮影する装置です。従来の歯科用レントゲンは平面的な画像を提供するのに対し、コーンビームCTは3D画像を生成できるため、骨や歯の内部構造を詳細に観察することが可能です。

名称にある「コーンビーム」とは、X線が円錐(コーン)のように広がりながら照射されることを指しており、この技術により広範囲を短時間で撮影できます。

従来のレントゲンとの違い

従来のレントゲン 歯科用コーンビームCT
画像の種類平面的な2D画像立体的な3D画像
情報量限定的骨密度、神経の位置など詳細情報を取得
被ばく量低いが限られた情報のみ従来のCTよりも低い被ばく量
診断精度限定的高精度

歯科用コーンビームCTの仕組み

コーンビームCTは、以下の手順で画像を生成します。

・撮影
患者さんは撮影装置の中に入り、頭部を固定します。X線源が円状に回転しながら複数の断面画像を取得します。

・画像の再構成
撮影された断面画像をコンピュータが統合し、3D画像を作成します。これにより、上下顎骨や歯、神経、血管などの位置関係が明確になります。

・診断と分析
生成された画像をもとに、歯科医が治療計画を立てます。精密な3D画像を使うことで、手術や治療の精度が格段に向上します。

歯科用コーンビームCTのメリット

1. 正確な診断が可能
コーンビームCTの最大の利点は、骨や歯の状態を詳細に観察できる点です。以下のような状況で特に役立ちます:

・親知らずの埋伏状況の確認
親知らずが骨や神経に接近している場合、通常のレントゲンではその詳細な位置関係を把握するのが難しいことがあります。コーンビームCTなら、神経や血管の位置を正確に確認でき、安全な抜歯計画が立てられます。

・インプラント治療の計画
インプラントを埋め込む際、骨の厚みや密度、神経の位置を確認することが重要です。コーンビームCTはこれらの情報を詳細に提供し、成功率を高めます。

2. 低被ばく量
一般的な医科用CTスキャンと比較して、歯科用コーンビームCTは被ばく量が大幅に低いという特徴があります。これにより、患者さんの身体への負担を最小限に抑えつつ、高精度な画像診断が可能です。

3. 短時間で撮影可能
撮影時間が短いため、患者さんの負担が軽減されます。また、結果をすぐに確認できるため、診断や治療計画のスピードが向上します。

活用事例:歯科用コーンビームCTが活躍する場面

1. インプラント治療
インプラントは顎骨に人工歯根を埋め込む治療です。コーンビームCTは、以下のような情報を提供します:

・骨の厚みや密度の測定
神経や血管の位置関係の把握

・インプラント埋入位置のシミュレーション
これにより、手術の成功率が向上し、患者さんにとって安全な治療が実現します。

2. 矯正治療
矯正治療では、歯列全体の状態や顎骨の形状を把握する必要があります。コーンビームCTを使うことで、治療開始前に詳細なシミュレーションを行い、最適な矯正計画を立てることができます。

3. 根管治療
歯の根管内の感染や損傷を治療する際、根管の形状や周囲の骨の状態を正確に把握できます。これにより、再治療のリスクを減らすことが可能です。

導入による患者さんへのメリット

・安心感の向上
従来の診断方法では見逃されがちな病変やリスクを早期に発見できるため、患者さんは安心して治療を受けられます。

・治療の成功率向上
正確な診断と計画により、治療の精度が上がり、再治療のリスクが軽減します。

・短時間での診断
撮影から結果確認までの時間が短縮され、患者さんの通院回数が減ることも期待できます。

歯科用コーンビームCTの注意点

費用の問題
高度な装置であるため、診断や治療費が従来の方法より高くなることがあります。

被ばくへの配慮
被ばく量は低いものの、妊娠中の方や被ばくを避けたい方には慎重な対応が求められます。

まとめ

歯科用コーンビームCTは、歯科診療において非常に有用な技術です。3D画像を用いることで、従来の診断では不可能だった詳細な情報を得ることができ、治療の成功率を大幅に向上させます。インプラント治療や矯正治療、根管治療など、さまざまな分野で活躍するコーンビームCTは、患者さんにとっても歯科医にとっても大きなメリットをもたらすツールと言えるでしょう。

歯科医院を選ぶ際には、コーンビームCTを導入しているかどうかをチェックするのも一つのポイントです。この最新技術を活用し、より安心・安全な歯科治療を受けてみませんか?

東京立川歯科
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